伝説のBONテープ
「BONテープ」「BONカセット」なんと香ばしい名前だろう。カセットテープなんて今なら100円ショップに行けば有名メーカー製のものがいくらでも売っています。下手したらメタルテープも買えたりします。実際数年前までTDKのMA-EXが大量に売ってました。私が中学生の頃、時代はカセット全盛期。メーカー製のものは安くて300円、音楽用ともなると500円くらいからしかありません。そんな中、怪しいディスカウントショップに行くと貧乏人の救世主のごとく誇らしげにガラスショーケース上で鎮座している「BON」の文字。そのケースには100円の文字が・・・。貧乏人の中学生にとってはこれはまさに救世主。気がついたら5本のまとめ買いでした。実際使ってみると酷い品質で音は言うに及ばず、ヒスノイズがすごい。それでも当時はラジオからのエアチェックが中心でしたから音はある程度我慢していました。しかし、3本くらい聞いたあとヘッドは盛大に土色の汚れ。ピンチローラーにも土色のラインがきれいについていました。まさか磁性体を土で作ってるんじゃなかろうに、このテープをかけるとヘッドクリーニングは必修でした。それにこのテープ、レコーダーの中がお気に入りのようで、よく奥深くまで潜り込んでくれました。巻き戻すと切れたり、さんざんなシロモノでした。
結局、あまりの酷さににしばらく使ってどこかに行ってしまいましたが。ネットでこのテープを検索すると出てくるのは品質の悪さのことばかり。皆さんもやっぱりこのテープには思い出がたっぷり詰まっているんでしょうね。
最近某オークションで出品されているのを見つけ思わず落札しました。ここはひとつ史上最低の品質と噂の高いBONテープを愛でようと思います。
これがBONテープ、外観は意外にまとも。ブルーの洗練されたデザインと黒ケースで渋く決めてますが、手に取ると妙に軽い。
当時は気がつかなかったのですが、中央の窓に透明プラが無く、中のフィルムが透明窓を兼ねています。コストダウンできるところは徹底的に。
製造国、会社名など一切書かれていません、おそらく香港製とのこと。
「不都合がありました場合は同数の新しい製品とお取り換え致します」とありますが、不都合だらけですよ。「万一」のところを「よくありますが」に換えて欲しいです。交換したらまたのそのテープが不都合で取り替えしてまた不都合で・・・永遠ループになります。
これがテープ部分。茶色の磁性体です。黒っぽいテープを見慣れているので、これはヘッドに悪そう。でも昔のテープは茶色いの多かった気がします。よーく見るとなんとなく塗りが均等じゃない。恐る恐る一曲録音してみましたが、相変わらずのヒスノイズ。また、再生レベルが不安定でした。やっぱり磁性体の塗りが悪いんでしょうね。
最後にボンカレーと記念撮影
「BON」とはフランス語で「良い」という意味ですが、さすがにこのカセットは良いとは思いません。ボンカレーのほうは大好きで良く食べてました。
これ以外にBONビデオとかBON CD-Rは見たことないなー。このテープについての思い出や逸話は皆さんたくさんあるみたいで、ある意味伝説のテープですね。BONテープよ永遠なれ!
Tweet