ナショナル COUGAR 2200 RF-2200

1975年10月にSONYが周波数5kHz直読を実現したスカイセンサー5900を発表しました。一方、ナショナルはクーガ115がBCLラジオのメイン機種でしたが、これでは勝負になりません。そこで対抗馬としてナショナルが満を持して発売した周波数直読機がこのクーガ2200です。

周波数直読はスカイセンサー5900以前にサウンドナナハンGSやTRYX1600などでも出来ましたが宣伝アピールが弱く、直読機というイメージはあまり無いです。


BCLラジオ業界ではこれまでの「スカイセンサー5800VSクーガ115」から「スカイセンサー5900VSクーガ2200」の図式に変わりました。
横長でラジオというより通信機をイメージし、安定感があります。5900より8ヶ月あとに出たこともありBCLラジオの決定版という感じでした。
ダブルスーパーヘテロダイン方式を採用し、受信性能も抜かりありません。


この2200がすごいのはダイヤルと周波数スケールに完全な直線性を持たせたことで、フイルムダイヤルのスケールが完全な等間隔になっています。スプレッドダイヤルも等間隔に目盛られ、1回転で1MHzという設計になっています。実際、これが選局の際に大変使いやすく、大型ダイヤルと相まって選局操作が非常に楽しいラジオです。5900と比較して選局のしやすさは格段にこちらが上です。また、未知の局を選局して周波数を知る作業も比較的簡単に出来ます。5900はこれがちょっと面倒です。


500kHzと125kHzのクリスタルマーカーでダイヤルの校正をします。写真右側のスイッチが500kHzマーカーとスプレッドダイヤルのロックを兼用していますが、押し続けていけないのでちょっと不便。ダイヤル校正を片手でやる場合、スイッチを押しながらダイヤルを回さなければならない。個人的にはこのスイッチは上に戻らないように設計して欲しかった。ただ一つの不満です。


クーガシリーズ伝統のジャイロアンテナ。中波受信のときに威力を発揮します。これを取っ手代わりに使うと壊れてしまいます。実際、壊れているのがけっこう多い。


発売当時のチラシ、直ダイ・メカを強力にアピール。
やっぱりアンテナカップラーを側に並べたくなる。


私はBCLブーム当時このラジオを持っておらず、友人から借りて何度か使ったことはありました。最近オークションで良品を見つけ入手したのですが、選局ダイヤルの大きさと位置が絶妙で非常に使いよいです。また、フイルムダイヤルのクリーム色が美しい。今このラジオを製造販売したらいったいいくら位するんでしょうね。

このクーガ2200はBCLブームにおけるアナログ方式BCLラジオの傑作と言えるラジオと思います。BCLブームもこの頃が頂点だったのではないでしょうか。このあとプロシード2800やICF-6800などのデジタル機が登場してきます。
(ここで言うデジタル機とは周波数をデジタル表示する機種という意味)



写真は現在所有しているアナログの周波数直読機たち(サウンドナナハンGSも周波数直読できますよ)






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