UNICA UR-2A

70年代初頭にユニカ興業とういうガレージメーカーから発売された知る人ぞ知る短波受信機。
このメーカーから発売されている受信機の一番上位モデルでしたが、受信性能はかなり悪いらしく、 あるサイトで「世界最低のラジオ」と酷評されたり、ダメラジオとして一部では有名です。私はCQ誌やラジオの製作の広告でしか見たことがなく、通信機型横長タイプのため広告写真では立派な受信機に見えました。最近、某オークションで見つけて安く落札しました。実物を見た印象は意外に大きい ことと、見た目より軽いということです。
下の写真はオークションの写真ですが、左側のスプレッドダイヤルつまみの飾りのアルミ板が無かったり。バンドセレクトのアルミ飾りが無くなっていたりしてましたが補修してキレイにレストアしました。



中をあけて見るとかなりスカスカです。短波3バンド、中波1バンドの4バンドですが、真空管ラジオの高1中2ラジオをトランジスタ化したような感じです。こんなにスカスカですから軽いのは当たり前で、中でハムスター飼えるんじゃないかと思います



短波帯を受信してみると巷で言われているほど感度は悪くなく、15MHz以上の局も多数受信出来ました。もちろん20m程度のロングワイヤーアンテナとアースを繋いでの受信です。当時の日本語放送受信にはそこそこ使えたのではないかと思います(RAEを除く)。ただ、イメージがひどく、特に中波帯ではどれが本当の周波数か分からない局がけっこうありました。これは調整である程度直ると思います。ダイアルにはフライホイールが付いていますが、スムーズという感じではなくバッククラッシュもあってフィーリングは良くないです。


ファンクション切り替えはスケール窓のライトだけが点灯するSTBYや、受信機ぽさを主張しているA3。空電雑音対策と思われるANL、SSB/CWがあります。しかし、このツマミは固くて操作性がいいとは言えません。


シャーシ上蓋の横にある4箇所のネジ穴は2度開けしており、現物合わせで組み立てているようです。ガレージメーカーらしいですね。大手メーカー製にはない手作り感があって逆に好印象(笑)。


紛失していたスプレッドダイアル中央の飾り板はアルミ板を切り出し、ドリルに装着して回転させサンドペーパーをあてて同心円のヘアラインを表現しました。スケール窓などを内側からクリーニングしてレストア完了。一枚目の写真と比較して下さい、どうです、見違えたでしょう?
左右にメインダイアルとスプレッドダイアルがあり、それぞれ別のスケールと針が中央にあります。東芝のサウンドナナハンGSを横長据え置き型にして古めかしくしたような感じです。実際は本機のあとにサウンドナナハンのデザインが出来たと思います。外観は立派で受信機の顔をしていますが、一昔前の真空管時代の顔です。でもこの通信型受信機の顔を見て、スカイセンサー5800やクーガーよりもさぞかし性能がいいんだろうなと思った少年が大勢いたんでしょうが、やはりそれらよりは少し性能は落ちるようです。当時\25,500ですので高価なラジオだったでしょうね。ラジオとしては珍品の部類と思いますので外観は立派ですし、飾りにはいいかもしれません。横長据え置き型のこの受信機、私はけっこう好きです。










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