SONY "Tapecorder Baby" MODEL 901のレストア

前からこのテープレコーダーを探していましたが、ヤフオクにもなかなか出ないテープレコーダーで、出品されていても動作品は割と高額になるので、なかなか落札出来ませんでした。たまたま不動のジャンク品が出品されていて、即決価格が設定 されていて、これを逃したらいつ入手できるか分らないので落札しました。ジャンクとしては高額でした。


来たばかりの状態。錆が出ている場所があちこちに見え、全体的にくすんでいます。不動とのことなので動作確認はせず、さっそくレストアすることにします。



トランジスタはSONY製2T65を2個と2T85を1個使用されています。電解コンデンサーは古いFOXCONが多数使われており、そのうち2個は破裂していました。


電解コンデンサー は全部交換しました。取り外して容量を測ってみると、測定不能なほど容量が増加しており、おそらく短絡しているようでした。フイルムコンデンサーは測ると表示の 容量でしたので、極力オリジナルを残す意味で抵抗と同様にそのままにしました。トランジスターをチェックしてみると、大丈夫なようですのでよかったです。しかし、約50年前のゲルマニウムトランジスターですから油断はできません。


動力部分は、ベルトなどのゴム製品は一切使われておらずギヤ式です。劣化部分がほとんどないギヤ式はレストアは楽です。劣化部分は巻き取り側のクラッチ用スポンジで、ボロボロになっており原形をとどめていませんでした。これは食器用スポンジを丸く切りだして補修。
ピンチローラーは硬化して使えそうにありませんでした。適当なサイズの代替品を探しているとRoland製ビニールシートカッターの送り出しローラーがぴったりのサイズだったので、ebayで購入しちょっと加工して取り付けました。



モーターはしっかりしたものが使われているようです。J.M.MOTOR.Co.Ltdと書かれていて、外国製のようですが製造国は不明。電源をつなぐと正逆方向とも回転しました。50年位動いて無かったと考えられるので注油したいところですが、分解不可みたいなので注油は諦めました。


各部の洗浄・錆落とし・注油などをして組み立て後、とりあえず外部電源を繋いで動作確認。録音・再生出来ました。テープもソニーのものに交換。右側のリールは付属していたもので「Soni-Tape」と表記されている初期のものです。視聴はセラミックイヤホンで行いましたが、「サー」というノイズあり、再生音が若干小さい感じです。経年変化でトランジスターが劣化しているかもしれませんが、オリジナル重視ということでそのままにしておきます。

このモデルの使用電池は9Vを3本ですが一般的な角006Pでは無く、単二型電池に似ている円筒形のR006というもので、端子は上下に分かれています。トランジスターラジオ黎明期によく使用されていたもので、 角006Pが現在まで生き残っています。本体側に端子が固定されているので、新たに006P用の端子を新設し電池を押し込みました。モーター用に2本、増幅部用に1本です。


内部のレストアが終わって、外部カバーを取り付けて完成しました。



↑ PAGE TOP