SONY TC-905A
3号リール、キャプスタンドライブ。 ボディはプラスチックで上面はアルミ板でカバーされています。60年代に製造されたSONYでは珍しい小型オープンリール。SONY製の小型のものは数か少ないのでしょうか、5号リール以上はけっこう見かけるのですがこのサイズはあまり見つかりません。おそらく当時他社のものと比較して高価だったのかも。以前からSONY製の小型オープンを探していたのですが、かなり状態の良いのもを箱付きで入手しました。デザインはSONYらしくシンプルでバランスのとれたもの。電源は単三のニッカドバッテリー4個の充電式です。 操作は写真左下のレバーで巻き戻しと再生を操作し、これまた早送りがありません。充電は普通充電と急速充電の切り替え式。
再生は上に付いている小型スピーカーで聞くことが出来、セットになっている充電器兼用のアンプ内蔵スピーカーで聞くことも出来ます。テープスピードは標準が9.5cm/sで、このサイズのレコーダーとしては速い仕様です。キャプスタンの取り替えで4.8cm/sも可能。
V.ACTという機能が付いており、これは、録音時にマイクに音が入るとテープが自動的にスタートするという(便利?)な機能です。また、録音レベルはソニーマチックという自動調整方式、いわゆるAGCが内蔵しています。
中をみるとメカが詰まっており、他の小型オープンと比較してしっかりと作られている印象です。さすがSONYという感じです。
駆動モーターは写真右上に見える一個で、ゴムベルト等は使われておらず、すべてギアドライブです。そのため経年劣化が少なく、40年以上経った今でも快調に再生できました。ただし、スイッチ類の接触不良があり、多少のメンテナンスは必要でした。また大型のはずみ車が使われ、ワウフラもほとんど感じられず、音楽再生も十分可能です。
本機の主な仕様
周波数特性 100〜8,000Hz (9.5cm/s)
出力 1W (アンプ内蔵スピーカーユニット使用時)
消去ヘッド 永久磁石
再生時間 片面30分
サイズ 20.5×15×6 (cm)
電源 単三ニッカドバッテリー 4個
AC100V (外部ユニット装着時)
右側に小さな丸いバッテリー残量計、その下に録音モニター用ジャック。
黒い本革製のキャリングケースが付いていました。あまり使われて無かったらしく比較的きれい。しかしこの革、かなり固い。(一度も使われてないかも)
ヘッドクリーニングリボンなるものが付属。
ヘッドは掃除しにくそうですからこういうものが付いているところは親切。でもこういうの初めて見ました。
当時は綿棒ってあったのでしょうか。ちなみに綿棒でヘッドを掃除しようと試したら、隙間に入りませんでした。やはりこのリボンは必要のようです。
リモートコントロールが出来るかわいいマイクが付いています。
取説に小鳥の生録をしている絵を発見。自動録音スタート機能(V.ACT)の説明書きです。デンスケのような使い方も想定していた?しかし、人なつっこい鳥ですねー絵が時代を感じます。
充電と外部スピーカーを兼ねたSSA-905Aとドッキングした写真。家で普通に聴くにはこの状態ですね。
これの廉価版で充電式ではなく、V.ACTが付いていないタイプ(TC-905)もあったようです。
このモデルよりも古いSONY製の小型オープンがオークションに出品されていましたが、高くて手が出ませんでした。
とても私には大4枚は無理です。SONY製の小型オープンって何で高いんでしょうか。うーんやっぱり数が少ないからかな。
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