AUREX PC-X80ADのモーター故障

古いデッキは使わないと調子悪くなるので、このデッキも月に2?3回程度動かしていました。ところが、ある日何の前触れもなく再生中に突然停止、それ以降全く再生せず。早送り、巻き戻しは出来るがキャプスタンが回らない。 このデッキは電源オンで左側のキャプスタンモーターが常時回転する仕様だが、あけて確認するとモーターが回っていなかった。



メカ部の後ろにあるロジック回路を見ると矢印のトランジスタがさわれないほど熱い。
疑わしいトランジスタを取り外してチェックしたところすべて正常でした。前回の整備時にこの基板の電解コンとトランジスタは新品と 交換してあったのでロジック回路の故障ではないようだ。テスターで確認したところモーターには13V程度来ていた。どうやらモーター不良のようだ。



取り外した松下製FGサーボキャプスタンモーター、1978年6月製らしい。ネットで検索したが当然のごとく新品は見あたらなかった。同じ東芝のPC-330というモデルに同じものが使われていることまでは分かった。



モーター後部に付いているFGサーボの基板。とりあえず電解コンデンサーを交換して試したが変化なし。FGサーボのICが逝ったのかもしれない、このICは恐らく手に入らないだろう。 基板を介さずにモーターに直接8V程度を加えると回るようだ。このモーター一式はあきらめることにして、同等のものをジャンクから移植することにした。



同様なモーターを使われているデッキを探すことになったが、それがどのデッキか分からない。PC-330というデッキに使われているらしいが輸出用なのか検索しても見あたらなかった。結局、同時期のAUREX製品なら使えると思い 某オークションでPC-X6ADのジャンクを見つけた。PC-X80ADと同時期に出た廉価版でadres搭載モデル。廉価版といっても当時\118,000もした。もしかしたらメカは同じものと考え入札してみる。結局、なんと\320で落札したが送料が\2,000近くかかった。 なかなかのレアモデルだが人気はあまり無いようだ。



電源コードが根本から切断されていたので動作確認はしなかった。中をあけて見ると全く違うメカで、しかも1モーター。廉価版とはいえ当時11万越えのデッキが1モーターはちょっと。メカの設計も独特です。モーターを取り出して12Vを加えると動いたが 、FGサーボでなくメーカーもマブチ製だった。はたしてこれは使えるか?ヘッドは同じASヘッドが付いており摩耗も少なく使えそうなのでついでに取り外した。



サイズ、ネジの位置は同じなのでプーリーを交換してメカに装着した。電源を入れてみると元気に回り出し、再生時のスピードもほぼ同じようだ。異常に熱かったロジック基板のトランジスタも正常になった。 モーター背後の半固定抵抗を調整してテストテープで再生スピードを調整。



2時間ほどテスト再生しましたが問題は無くどうやら移植成功のようです。FGサーボではなくなりましたが、回転ムラは感じませんでした。いずれにしても貴重なデッキがジャンクにならずに良かったです。






↑ PAGE TOP