AUREX SB-Λ70C

東芝からオーレックス(AUREX)ブランドで1980年に発売されたプリメインアンプ。 スピーカーのマイナス端子にセンサーケーブルという第3のケーブルを追加して接続し、 スピーカーをNFB回路の一部にする発想です。スピーカーからの逆起電力を押さえ、 ケーブルのインピーダンスを吸収することにより、ダンピングファクターを無限大に出来るとのことです。似たようなものに同時期にTRIOから出たΣドライブというのがあります。
クリーンドライブの名前のとおり、澄み切ったきれいな音が出そうです。オーディオメーカーが元気のあった80年前後、このような斬新な発想も 当時ならではです。使用パーツも銅蒸着メタライズドポリエステルフィルムコンデンサー"Λコンデンサー(ラムダコンデンサー)"や VXコンデンサーなど半導体メーカーらしく贅沢なパーツが使われています。
このアンプはフロントパネルがアクリルで出来ており、黒いアクリルパネルに各セレクターのグリーンのランプが浮き上がる仕様になっていてとても美しい。 最近これを入手した理由もそのデザインの良さからです。

上位機種のsb-Λ77が欲しかったのですがなかなかいいのが出品されないことと、値段に競り勝つことが出来なかったので、ワンランク下の70Cを落札 しました。でも、同じΛコンデンサーやVXコンデンサーなどが使われており、出力は若干低いくらいなのでこれでもいいかな。


電源部の大型コンデンサーに抱っこされているΛコンデンサー。


出力段はパワーMOS-FETが使用されています。オレンジドロップみたいなVXコンデンサーがあちこちに見えます。 オフセット電圧を計ると左右とも5mVで、アイドリング電流は50mA位でしたのでそのまま手をつけず。 ある程度メンテがされているようなので中を軽く掃除程度にしました。中央を横断している黒い放熱板のフィンがカミソリのように鋭くて手を何カ所か切りました。軍手をしたほうがいいかもしれません。

音のほうは所有しているSONYのTA-F6Bと比較すると堅い感じはなく、真空管アンプのような暖かい印象で落ちついてまったりと聴けます。 カッチリとした音を出すTA-F6Bにもそれなりに良さがありますが、音はこっちのほうが好みかな。


ブラックのアクリルパネルに浮かぶグリーンのランプがとても美しい。 国産プリメインの中でもトップクラスのデザインと思います。


たくさんの名機を発表していたこのAUREXブランドもオーディオの衰退とともに消えてしまいました。もうあの時代は来ないのでしょうか。 ほんとに70年から80年代のオーディオ製品って魅力的なものばかりですね。当時買えなかった製品が手頃な値段で今買えるのもうれしい限りです(人気のモデルは高いですけどね)。

結局、上位機種のSB-Λ77Cを入手




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