SONY TA-F6B
前から気になっていたSONYのアンプ、77年発売でパルスロック電源を採用。いわゆるスイッチング電源みたいなものです。オークションでウォッチしていたところ、たまたま安く落札できました。このアンプが欲しかった理由はフロントパネルがとにかくカッコイイこと。アンプに出力メーターを付けるのは77年頃に流行っていて、付加価値として各メーカー装備していましたが、このモデルはその中でもめちゃカッコイイです。ガンメタリックのフロントマスクとアルミ削り出しのノブ類が絶妙のバランス。
CDをつないで鳴らしてみると元気よく鳴ってくれましたが、ボリュームや切り替えスイッチのガリが酷い状態。ボリュームは4連ディテントボリュームなのでメンテは大変そうです。また、出力メーターが固着して動かない状態でした。
カバーを開けてみると、パルスロック電源のブラックボックスが左側に見えます。その代わりありがちな大型トランスが無いです。右下にあるのが4連ディテントボリューム
パルスロック電源の中身。電源から発生する電磁波防止のために、ダイキャスト製と思われ分厚い箱で覆っています。ここでAC100Vを直接整流してDC電圧を取り出しているらしいです。
ガリがあったので4連ボリュームを取り出しましたが、シャフトを止めているクリップを外すとクリップの再利用が出来なくなりそうでだったので、これ以上はばらさず隙間から接点洗浄剤と綿棒で掃除。最後に接点復活剤を薄く塗って終わり。
ファンクションスイッチもガリが酷かったので分解掃除。これはちゃんと分解掃除しましたが、再組み立ての際に小さいクリップを取り付けるのが大変。二度としたくない作業でした。
ガーン! フロントパネルをいつものようにマジックリンで洗っていたら、インデックスが落ちてしまいました。すっきり全部落とす羽目になりました。このモデルのインデックスはかなり弱いみたいで、オークションに出品されているもので文字が消えているのがたまにあります。幸いインデックスは彫り込まれており、ペイント流し込みで何とか復活出来そうです。
白のプラカラーに、ほんの少し黄色を混ぜて溝に流し込む。はみ出た部分の拭き取りは薄め液でやるとあまりうまくいかなかった。溶けた塗料がヘアラインに入り込み面倒なことになります。塗料は少し堅めにしてなるべくはみ出さないように流し込み、エタノールを少量染み込ませた綿棒で慎重に拭き取っていくとうまくいきました。最後にエタノールを少量染みこませた名刺で表面をこするといい感じになります。
一番難しかったのはSONYのロゴ。文字が幅広だと塗料を均等に流し込むのが大変です。全部のインデックスを修復するに丸一日かかってしまいました。もし、彫り込みが無かったらインデックスの復元は私にはお手上げでした。でも、インクを落として、彫り込みだけのほうがシンプルで高級感があるような気もします。
出力メーターの固着を修理した後、リレーの接点掃除をしました。リレーは上のカバーを外して接点洗浄剤と名刺で掃除。DCバランス・DCバイアスの調整をして完成。
メンテ終了後、ガリもきれいに無くなり絶好調。
音は硬質な感じで今まで使っていたAU-666とは違う音ですが、この音も結構好きです。
また、4連ディテントボリュームを採用しているので、ギャングエラーが全く無いです(ミリバルで確認済み)。前に使っていたAU-666はそれが酷かったので、小音量で聴く私としてはとても好都合。
このモデル、海外での評価が高く人気があるようで、結構高く取引されているみたいです。ネットで検索すると国内のサイトはあまりヒットしませんが、外国のサイトでたくさんヒットします。
SONYのオーディオ製品は当時のハイエンドオーディオマニアにはなぜか人気が無かった。家電のイメージがあったのでしょうかね。当時、家にSS-G5とTA-4650がありました。
上に乗っているのはdbxのデッキセレクターです。
しかし、このガンメタパネルと出力メーター。むちゃくちゃかっこいい。こうやってCDを聴いているとアンプの音って当時も今もあまり変わってないですね。とういうかこの頃にほぼ完成されちゃった感じです。最近SONY製品ばっかし集めているような気がしますが、私、この時代のSONYデザインには弱いです。
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