VUメーター自作

VUメーターが好きで家にあるオーディオ機器もずいぶんVUメーター付きが増えました。
10年くらい前にオークションで古いVUメーターを落札してあったのを思い出し、 それを引っぱり出して活用しようと思います。 かなり大きなメーターで放送局で使われていたものらしい。NHKが昔定めた放送技術の規格であるBTS規格のメーターらしく、これはその最大サイズの11型。 このタイプのメーターは昔の放送局の写真に写っているのを良く見ますね。クリーム色の目盛板とスペード針はBTS仕様VUメーターの特徴です。



正面パネル内を見てみると、上のほうに「KEIC」とかかれています。 おそらく協和電気計器製と思われます。「YEW」と書かれた横河電機製のものはよく見ますが、これはあまり見ませんね、正面のネジもマイナスネジが使われています。 1958と書かれていますが、50年以上前のメーターということでしょうか。試しに音楽信号を入れたら元気に動きました。これをケースに入れてメーター駆動回路で動かします。


照明ランプは見たことがないものが付いていました。調べてみると本来は電話交換機用らしいです。24V供給と指定されていますが、寿命を延ばすためか付いているのは30V用でした。驚いたのは この交換ランプが今でも買えることです。24V供給も難しいし、いつ切れるかわからないのでこれは電球色のLEDに交換することにします。まさかこれを青色LEDに交換なんて許されないですよね。
12V程度を加えるとして各LEDに470Ωの電流制限抵抗を入れてLEDを並列接続。拡散キャップも忘れずに装着。 内部も掃除してガラスもきれいにしました。この場合針を痛めないよう注意。

もとの電球仕様と変わらない感じになりました。このぼわーっとした感じがいいですね。

ケースはリードのCM380、アンプ並の大きさ。この位の大きさじゃないとこのVUメーターは入らない。 正面に9cmの大穴を2個開けないといけないです。それでも丸穴だからいいですが、もし四角だと大変なことになりそうです。 私は四角に穴を開けてきれいに仕上げる自信はありません。
穴をドリルで円に沿ってたくさん開けてヤスリで仕上げました。これが一番きつい作業です。


何とか9cmの穴を仕上げ、メーターを取り付けたが問題発生。メーターの後部が飛び出しているために、中の台座に当たってしまって正面パネルが取り付けられない。 結局、台座を切断する羽目に。 アルミ板はカッターで切れ込みを入れると切断出来るとネットに情報がありました。両面にカッターで10回ほど切れ込みを入れて何度か折ると無事切断できました。


インスタントレタリングを貼って保護のためにクリア塗装。実はこのレタリング作業が一番神経を使った作業でした。レンジ切替のツマミはメーターに合わせてレトロなものを付けました。このレンジ切替がないとCD再生の場合針が振り切ってしまうことがあります。



メーターの駆動回路をネットで探しているとYusa Audio Projectというサイトの 駆動回路を見つけました。ここの駆動回路は何度か改良がされており、さらに レンジ切替が付いているのがポイントです。現在のCDは音量レベルがバラバラでかなり大きなレベルのCDもあるため、 このレンジ切替は重宝すると思います。また、回路の調整もきちんと行っており、ネットを探すと他にもメーター駆動回路はたくさんありますが、オーナーさんも親切でここの駆動回路がベストだと思いました。


駆動回路をケースにセットして配線。 配線説明書も付いており、配線はソケット式なので楽です。LED照明用の電源も基板から取れます。ケースが大きいので中は結構余裕あります。


完成しました。
大型のアナログメーターはいいですね。持っているTRIOのVUメーターよりもかっこいいかも。音楽をかけながら見ていると大型メーター特有の針の動きがまったりとしていい感じです。大きい分イナーシャも働いているんでしょうね。Yusa Audio Projectさんも指摘していますが、良い録音は針の振れが大きいですが、良くない録音は振れが小さく、 圧縮された感じがします、これは最近のJPOPに顕著にみられます。
今回はVUメーター自作といっても、メーターや駆動回路は作られたもので、自分でやったのはケース加工ぐらいものですが とても満足しています。また作りたくなりました。









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