知名オーディオのアンプ

知名オーディオ(知名御多出横)の溶接アンプを某オークションでジャンクを見つけて落札。古いモデルらしく現在はラインナップにも無く、 大きさや外観から恐らく30W+30Wの"想"というアンプらしい。恐らく知名オーディオの初期の製品ではないでしょうか。知名オーディオは 沖縄のオーディオメーカーで全指向性スピーカーと溶接アンプが有名なメーカーです。


外観は塗装がはげてかなり酷い状態で真鍮製のノブもくすんでおり、ほとんどゴミ状態。私に修理できるのだろうか・・


開けて中を見ると部品同士が溶接されており、基板やラグ端子などは無く部品間を直接溶接している。シンプルな回路構成で余計なものは付いてないようで、信号の通り道にはコンデンサーは1個しか なく今は貴重なBlackGateが使われています。また、トーンコントロールはついておらず入力の切り替えスイッチがあるのみです。


片チャンネルのセメント抵抗が焼けていた。恐る恐る電源を入れたが煙などは出ず、ヒューズも切れていない。スピーカー端子上の電圧を測ってみると抵抗が焼けているほうのチャンネルで30V位のDCが出ていた。 あやうくスピーカーをおシャカににするところでした。終段のトランジスタが逝っているかもしれません。


終段と初段のトランジスターを取り外してテスターをあてるとすべてショートしていた。初段の4個と終段のコンプリペア、その他不良パーツ類を注文して取り付け付けることになったが、溶接は出来そうにないの圧着端子で 付けようと試みた。しかしなかなか上手くいかず結局ハンダ付けすることに。なるべくパーツ同士のリードをからげてペンチで圧着後半田付けをした。メインスイッチも調子悪かったのでアメリカcarling製のノブが短いタイプに交換


もう片方のチャンネルは大丈夫そうなのでそのままにし、ボリュームは壊れているようなのでアルプス製に交換。シャーシー下からDCオフセット調整用の半固定抵抗にアクセスできるので、調整しスピーカーを繋げて視聴したところ鳴りました。 シンプルな回路のせいなのか音は澄んだ音がします。


スピーカープロテクト回路も無いほどのシンプルなアンプですが、さすがに怖いのでイトウ部品から電子キットとして売られているプロテクト用回路を取り付けました、 安価でとても作り易く優れたキットです。これでDC漏れでスピーカーを焼くことはないでしょう。


シャーシーはつや消し黒のシボ塗装に再塗装。くすんでいたボリュームは磨いてクリアコートしました。このノブは真鍮削り出しで非常に重いです。
片チャンネルが溶接でもう片方がハンダ付けのアンプになりましたが、私の駄耳では違いが解りません。でもとても綺麗な音が鳴るアンプで、外観もシンプルでかっこよく常用したくなるアンプです。

"Straight Wire With Gain"
知名オーディオ(Tina audio) http://www.audio.co.jp/index.php




↑ PAGE TOP