MY CAR AUDIO 3

カーオーディオ用として販売されている真空管アンプは入力段だけに真空管を使い、出力側はトランジスタやFETが使用されているハイブリッド方式がほとんどです。 やはり真空管アンプとして入力段と出力段に真空管をつかった本当の意味での真空管アンプを車で使いたいと思い、 ホームで使用している5687PPアンプを車載するという無謀な計画をしました。このアンプは某オークションで落札した自作品ですが球アンプ特有のハムも無く、音もいいので気に入ってました。車載するにあたり側面は内部配線がむき出しなので一つの面だけ アルミ板で覆い、感電事故を防止しました。中央のツマミは入力切り替えセレクターで、4系統入力が出来ます。そのまま縦に置くか、あるいは横に置くか迷いましたがとりあえずそのままの状態で縦に置くことにしました。


100V仕様アンプを車載するには電源をどうするか悩むところです。12V仕様に改造することも考えましたが、あまり回路をいじりたくないのといろいろ面倒なので、交流100Vを取り出せるインバーターで駆動することにしました。 ここで問題なのがインバーターの選択です。安いインバーターは出力波形が矩形波という階段状です、恐らくまともに鳴らないでしょう。試しに手持ちの\2,000位の135W安物インバーターで 鳴らしてみましたが案の定、「ビー」というノイズが盛大に発生し、音楽を聴けたもんじゃありませんでした。


きれいな正弦波を出力するインバーターを探していると、某オークションにEXELTECH XP250という医療や航空機にも使われている信頼性の高いインバーターの中古を見つけ落札しました。 もともと高価なこのインバーターですが偶然中古で安く買うことが出来ました。室内で本機を12V出力の安定化電源につなぎ100V出力からアンプを鳴らしてみましたが全くノイズはありませんでした。 電流は安定化電源のメーター読みで6Aくらいのようです。突入電流はもっと高いはず。
インバーターへの電源はバッテリーからプラスマイナスとも直接8ゲージのケーブルで引き、助手席の後ろに設置。隣にあるのはBeatSonic SK-20でアンプセレクターとして使用しています。


電源ケーブルの引き回しに苦労してやっと設置。Phononは少しお休み頂いてしばらくこれで楽しんでみようかと思います。 振動対策としてスポンジゴムをかまして設置しましたが、より安定させるために横に寝かして設置したほうがいいかもしれませんね。 30分ほど近所をドライブして聞いてみましたが、変なノイズは全く聞こえませんでした。オール真空管のため出力は4Ω負荷で3W+3W程度なのでマッキントッシュよりは少し音量が落ちますが、低音は想像以上に良く鳴り ました。JAZZや女性ボーカルなんかだといい感じです。好きなLED ZEPPELINのアコースティック系も良かったです。



電源はインバーター保護の為、インバーターの電源を入れた3秒後にアンプのスイッチが入るよう遅延リレーを組み込みました。 このアンプの5687という球は音質には定評がありますがヒーター電力食いの球で、これを6本使用しています。消費電力は結構ありそうです。ON/OFF時のエンジン回転数の変化はありませんでしたが、夏場のエアコン使用時はどうなるか分かりませんので バッテリー強化が必要かもしれません。また、見た目が悪いのでシャーシを変えたほうが良さそうで、少し高さを低くしたいです。いずれにせよ本当の意味での車載真空管アンプということで満足。しかし俺もようやるな。


立てて置くと不安定なので横に寝かしてみました。上面をハンマートーン塗装して、真空管は振動対策としてリテイナーで固定。


夏場のエアコン作動時の消費電力が不安なのと真空管からの熱がかなりあるので、現在は整備調整したPhonon340Cに交換して聴いています。Phononもかなり 熱が出るアンプですが、さすがに5687を6本使ったアンプには及びません。
Phonon340Cを久しぶりに聴くと、あらためて音の生々しさに驚きました。







↑ PAGE TOP